背景の写真は東岸からみた比叡山の雄姿である。
この山の向こうに、京の都がある。
穏やかな、この風景を愛でながら生きた多くの人達・・
湖国近江は縄文の昔より、現在に至るまで・・
様々な人々の人生を見守ってきた。
舟形の埴輪の出土・・稲作のはじまり・・
幾年も湖上に多くの船が行き来し・・
この湖を中心にした人々の生活があった。
戦国時代、織田信長をはじめ多くの武者たちも・・
同じ風景を愛でながら生きてきた。
現代では陸上交通が中心となり、
湖上を行き来する船も少なくなったが・・
平成の世になっても・・
比良、比叡の山々に降り積もった雪は・・春がきて・・
地中深く染み込み・・湖底からは今も、絶え間なく、
滾々と泉が湧き出している・・
母なる湖から流れ出す水は、瀬田川、宇治川、淀川を経て
大阪湾にそそぐ・・
流域の自然を潤す命の水なのだ。
<文・写真 by K.Yasuda>